35歳からの中二病エンジニア

社寺・鉄道・アニメを愛でるウェブ技術者の呟き

令和最初のお伊勢参りと紀伊半島一周

夏といえば青春18きっぷ。18きっぷといえば長距離乗車の旅。というわけで、まだ令和になって神宮参拝していなかったこともあり、参拝ついでに紀伊半島を鉄道で一周する一人旅に出た。

今回の行程

今回の行程は8月29日(木)から9月1日(日)の3泊4日で移動距離は1471km。地図の通り、名古屋を中心に8の字を描くコースだ。この内一部区間のみ三セク経由でズルをしたけれども(後述)、ほぼJRの普通列車に乗車し、青春18きっぷを最大限に活用している。

リベンジ!中央西線

中央東線は2ヶ月前にも通ったので軽く流していく。問題は中央西線で、前回はまさかのトンネル火災で代行バスになったので、今回は何としてでも木曽山中を鉄路で駆け抜けたかった。

今回は平常通りの運行!中央東線の211系ロングシートでくたびれたお尻にとっては、中央西線の313系1300番台はありがたい。平日で空いていたこともあり、木曽川の見える進行方向右側に座って雄大な自然を満喫できた。ただ、寝覚の床が塩尻側からだと後ろを向かないと見えないことを完全に失念していて、チラッとしか見えなかったのは少し残念。

「何も無い」がある明知鉄道

恵那からは少し寄り道して明知鉄道に初乗車。来年から大河で騒々しくなりそうなので、今のうちに乗っておこうという算段だ。明知鉄道は車両こそ三セクお馴染みのNDCだけれども、路線の方は急勾配や急カーブ、そして美しい田園風景が有名だ。しかも鉄路以外に人工物が無い所が多く、こんな風景があちこちで見られる。

なお、終点の明智は文字通り明智光秀ゆかりの地…という体で激推ししているけれども、当時の明知城主は信長の野望クラスターにはお馴染みの遠山氏。肝心な明智氏はその頃可児へ移っているので、光秀自身は足を踏み入れたかどうかも怪しいという残念感。それでも折角なので「光秀プリン」なるものを、これまた町おこし感満載な施設である大正村浪漫亭の喫茶スペースで頂戴した。

でかいよ。屏風だよ。食べ方の極意とか書いてあるけど意識高いラーメン屋かよ。
なお、お味の方は豆乳仕立てでとてもあっさり。美味しゅうございました。

駅弁なのにガチの味噌カツ

明智に寄り道したので、名古屋からは18きっぱー的には禁じ手である快速みえに乗って伊勢へ向かう。なぜ禁じ手かというと、快速みえは途中の河原田-津間が三セクの伊勢鉄道経由で運行されているからだ。途中の鈴鹿は我が故郷でもあり、なぜこんな路線を特定地方交通線に…という恨み節は置いておいて、ここを迂回して亀山を経由すると翌日に響くので、510円を払ってチートした。

さて、夕食は折角なので名古屋駅で駅弁を購入。四日市を過ぎるまでは通勤客が多いし、鈴鹿前後で必ず伊勢鉄道の車内改札が行われるので、それが終わってからの御開帳だ。

これ、駅弁なのでそんなまともな味噌カツは期待していなかったけれども、やたらと味噌が美味い。よく見たら包装に思いっきり「カクキュー八丁味噌使用」と書いてあって、納得するしかなかった。カクキューといえば我が家でも味噌汁に愛用している八丁味噌の大定番だ。まさか駅弁であの味を堪能できるとは。

ちなみに、昨今は列車内での飲食について色々言われるようになってきているので断っておくと、快速みえは普通列車ではあるものの、全列車に指定席があって、座席は転換クロスシート、小さいながらもテーブルも付いている。おまけにカーテンは特急のようなプリーツ式という伊勢志摩観光仕様の豪華列車である。

…2両編成だけどね!!(4両の時も一応ある)

令和最初の神宮参拝は恵みの雨

伊勢に泊まって2日目は6時に起床しての神宮参拝だ。 しかし、外に出てみると大粒の雨。折り畳み傘では厳しいので宿近くのファミマで70cmの傘を購入。

外宮に着く頃にはしとしと降りくらいに収まっていたものの、空は暗く霞掛かっていた。…が、これはこれで雰囲気があって非常に良かった。今まで神宮参拝で雨に降られたことは一度も無かったので、これは神様が「雨の中参拝するのもええもんやで」と教えてくださったような気がする。

神宮参拝後のお楽しみ

神宮参拝後はおはらい町からおかげ横丁へ抜けて赤福本店へ行くのがいつもの道のり。だが今回は、一時は大人の事情で存在が抹消されかけていた碧志摩メグ(CV小松未可子)を発見!表現の自由は辛うじて死守されたようでほっこりした。

赤福本店では、夏場は赤福氷、冬場は赤福善哉を頂くのが通例。この縮尺の狂ったかき氷が空きっ腹を満たしてくれる感覚、神宮参拝を終えたなぁ〜という気がしてくる。

が、今回は前日の食事量が少なかったせいか、どうにも腹の鳴き声が止まらない。というわけで横丁を歩いていると、「焼き伊勢うどん」なる怪しすぎる食べ物?を発見。僕は善良な三重県出身者として伊勢うどんのことはうどんと認めていないので、ただの伊勢うどんに興味は無いのだけれども、さすがにちょっと気になって食べてしまった。

…まぁ、醤油は香ばしくて美味しかったよ…。麺のことは訊かないでほしい。
その後、口の中の醤油感を中和するために再び赤福本店へ足を運び、今度は普通の赤福を頂く。あれ?本店で普通の赤福食べたのってもしかして初めて…???

霧と晴れ間の紀勢東線

神宮参拝の後は一気に紀伊半島を南下。途中雨が降ったり止んだりしていたおかげで、山間を走る紀勢東線からは良い感じに霞掛かった景色を拝むことができた。また、紀勢東線は列車交換等での駅での長時間停車が多く、駅舎やホームをじっくり眺められるのも良い。ただし、間違って列車に置いて行かれると次は2時間後とかなので要注意である…。

なお今回は三瀬谷駅、三野瀬駅、尾鷲駅あたりで良い感じのご褒美長時間停車タイムを満喫できた。中でも尾鷲駅に至っては22分。駅を出てお土産を買って戻っても余裕だった。以前のダイヤだと紀伊長島駅に40分くらい停まる列車もあったけれども、どうなったのかな…。

ちなみに、尾鷲あたりからは晴れ間も見えてきて、霧と海との競演が良い感じだった。熊野灘の海と山が入り組んだ景色は、日本の原風景だと思う。

駅前B級スポットだらけの新宮

始発の多気からロングシートのキハ25形1000番台に揺られること4時間、漸く終点の新宮に到着する。実は熊野市から先は未乗区間なので、この辺りからは乗り潰し目的も入ってくる。新宮からはすぐの連絡で勝浦方面へ行けたのだけれども、まだ日没まで時間があるので少し散策することに。すると、駅から徒歩2分で異国情緒のある空間に。

この場所は徐福公園といって、秦の始皇帝の時代に日本へやってきた徐福という方士を記念する公園らしい。ただ、如何せん秦の時代とか昔すぎて伝承もあやふやだし、こぢんまりとした公園の中に入ってみても、開いているのかどうかも怪しい売店がぽつんとあるだけで中は閑古鳥だし、とても香ばしい雰囲気だった。

気を取り直して新宮城跡にでも登ってみるかと足を運んでみると、パチモンの復元天守みたいなのが見えてきたので、地図の方角的にも合っているからと近付いてみると、そこはなんと天理教の教会の建物。よりにもよって城跡の隣に建てるかよ…。

途中下車の散策でまさかディープスポットが連発するとは思わなかったので、個人的には面白かったけれども普通の旅の方は要注意だ…。本物の新宮城は石垣だけである。

1週間くらい滞在したい勝浦漁港

JR西日本お得意の魔改造によってメカメカしいお姿になった105系に揺られ、2日目の宿である勝浦へ向かう。ちなみに和歌山近隣の出身者にとって、勝浦といえば那智の勝浦だ。むしろ房総半島に同じ名前の勝浦があることは東京に出るまで知らなかった。

閑話休題。

勝浦、めっちゃ良い(語彙力…)。
元々田舎の漁港は好きなのだけれども、勝浦は生きた漁港でありながら過度な観光地化がされていなくて丁度良い感じがする。三崎や房総は東京から近いからあんな感じだけれども、勝浦は大阪からも名古屋からも地の果てという感じで、それでも特急が双方から走ってくるから何とかバランスを保っているのかもしれない。

というわけで、ビジネスホテルの扱いなのにオーシャンビューな宿に泊まり、

ここは奇をてらわずに王道のマグロ尽くしな食を満喫し、

食後の1時間は海風に当たってまったりと過ごし、

翌朝の漁師町は完全に昭和な空間。

今まで旅した中でも、町としてはトップクラスに良い場所だと思った。

まぁ、田舎ならではのおもてなしも受けたけれどもそれはご愛嬌で。

オーシャンビューのバーゲンセール

というわけで3日目。
紀伊田辺までは問答無用で105系N30のロングシート運用らしい。

ただし、車窓は見事を通り越して飽きるほどのオーシャンビュー。紀勢東線とは打って変わって穏やかな浜辺が多くなる。朝や夕方は海面に反射する日光で幻想的な雰囲気を味わえると思う。

紀勢西線の鉄事情

さて、紀勢西線は東線とは違って列車はバリエーション豊かだ。

105系に揺られた後は、紀伊田辺から御坊までの短い区間を113系N30改造車に乗車する。外装は見るも無惨だけれども、内装はN30なので座席周りは往時を偲ばせる貫禄がある。JR東日本や東海からは淘汰されてしまったけれども、もう暫く踏ん張ってほしい。

そして紀勢西線といえば花形特急のオーシャンアロー。今でこそくろしおの中に組み込まれてしまったけれども、283系の人気は健在。500系といい、JR西日本には不遇なスター車両が多いよな…。

そして御坊からは関空仕様の223系0番台。この辺りから車窓も街っぽくなってきて、日常に回帰した感が出てくる。

シメの和歌山ラーメンのはずが

紀伊半島一周のシメは和歌山ラーメン。のつもりだったのだけれども、立ち寄った近鉄地下の清乃というお店、「こってり和歌山ラーメン」の名でどろり濃厚なラーメンを出してくれる。これはこれで美味しかったのだけれども、和歌山ラーメンかと言われるとうーん?な感じかもしれない。まぁ、王道の和歌山ラーメンはあちこちにお店があるのでまた機会があれば立ち寄ろうと思う。

おわりに

この後は力尽きて大阪まで熟睡してしまい、疲れを予想した采配で慣れた彦根に宿泊、そして最終日は寄り道する体力も無くひたすら東海道線に揺られながら惰眠を貪ってしまった。

やはり3泊4日の鉄道旅は強行軍だったかと思いつつも、雨の神宮参拝も紀伊半島一周も、途中の立ち寄り含めて非常に楽しかった。そして期間中はずっと雨予報だったにもかかわらず、神宮参拝以外はほとんど雨に打たれなかったのはラッキーだった。

青春18きっぷでの旅は安宿と組み合わせると財布にも優しいので、これからも年に一度は満喫したいと思う。

Makuake 碧志摩メグ 16 胸像 世界限定30個

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