35歳からの中二病エンジニア

社寺・鉄道・アニメを愛でるウェブ技術者の呟き

マナーが悪いのは撮り鉄だけではない

お題がやや煽り気味なのはご容赦を。

桜の季節ということで、居住地である鎌倉市内の社寺を巡った。観光客の邪魔にはなるまいと、早朝6時台から各所を回ったのだけれども、思う所があったので書き留めておく。

論点

誤解が無いように、最初に論点をまとめておく。

  • 一部の所謂撮り鉄のマナーが悪く、鉄道会社や一般乗客等が多大な迷惑を被っていることについて、擁護する気は全く無い。
  • しかし、マナーが悪いのは撮り鉄に限ったことではなく、近頃の撮影スポットにおける写真撮影マナーは概して良くない。
  • プロ・アマ・一般人・鉄ちゃん等の別を問わず、カメラを持つ人達全員が施設のルールや周囲への配慮を心掛けられたい。

桜に群がるカメラ達

コロナ禍の中での花見なので、日中に混雑が予想される所から先に回ろうとルートも予め考えて、6時過ぎには鶴岡八幡宮の段葛に到着。流石にまだ閑散とはしていたが、それでも観光客と思しき人達が桜のトンネルのような参道をパシャパシャと写真に収めている。多くの人達は他の人に気を配りつつ、撮ったら体を避けるような配慮をされていて微笑ましかった。

ところが、境内が見えてきた辺りで参道のど真ん中にカメラの三脚が出現する。ずっと動かずに、境内と段葛を横切る道路や参拝者の列が止まるのを待っているようだ。立ち止まっているのはともかく、段葛は若宮大路の歩道なので、三脚を立てるのには撮影許可が必要なはずだが…。ちなみに、僕が参拝を済ませて戻った時点でもまだその三脚は立っていたので、少なくとも30分以上は公道のど真ん中を占拠していたことになる。

他にも、ある寺院では拝観受付の周囲では撮影禁止と大きく掲示されているのに、僕が拝観受付を済ませるまでの間だけでも5人ほどが無視して撮影していたり、またある寺院では一眼レフカメラでの撮影禁止とされているのに、数えるのも面倒になる程の人々が無視して撮影していたり。しまいには、モデルの人を見栄え良く撮るためか、周りにカメラやスマートフォンを手にした人達が群がっているのを気にも留めずに延々とポーズを変えさせて撮影しているような光景まで。これが数時間の間に拝めるとは中々凄いことだと思う。

世間では、所謂撮り鉄が迷惑行為を行う代表格として槍玉に挙げられているが、こんな光景を目にしてしまうと、撮り鉄諸氏はスケープゴートにされているだけなのではないかと思えるほど、景勝地における撮影マナーは悪いように見受けられた。

多くの人達は配慮している

とはいえ、一般の人達は少し撮影したら移動するし、望遠レンズを抱えたガチな人達も多くは通行の妨げや他の撮影者の邪魔にならないよう配慮されている。大多数はきちんとされているということは間違いないのである。ただ、一部の残念な人達が先述したような禁止されている行為やマナーにもとる行為を繰り返している。これはおそらく、所謂撮り鉄問題と同様の構図なのではないかと思われる。

実際、僕の知っている写真好きな人や鉄ちゃん達は、非常にそういった配慮が行き渡っているし、そもそも人が多く押し掛けるような場所での撮影自体を避けて、穴場を好む傾向にある。良識ある撮影者というのは、撮影時に周囲の邪魔になり得ることについて自覚的なのではないだろうか。

自分達の首を絞めないために

既に鉄道界隈では、さよなら運転等の特別な運行時における制限や禁止事項が多く設けられる傾向にある。景勝地における撮影禁止場所も以前より増えているように見受けられる。撮影者の自浄作用が働かなければ、今後もそうした制約が課されるケースは増えていくだろう。

そうした事態を避けるためには、やれ撮り鉄が悪いだの、やれ一眼レフを持った連中が悪いだのと他責にすることなく、カメラを持つ人達全員が当事者として、施設のルールや周囲への配慮を怠らないことが不可欠である。それでも一部の極端な悪行は無くならないかもしれないが、「周りもやっているし自分も大丈夫だろう」くらいのカジュアルな行いから減っていくのではないだろうか。

自分への戒めの意味も込めつつ、写真撮影に関する思ったことをぶちまけてみた。