35歳からの中二病エンジニア

社寺・鉄道・アニメを愛でるウェブ技術者の呟き

36歳になった

今日が誕生日ということではない。そもそも今週ですらない。

別に歳相応に生きるべきだとか、そんなことは欠片も思っていないので、今が26歳だろうが36歳だろうが46歳だろうがどうでも良い。ただ、自分の意志とは無関係に心身は少しずつ老化していくので、否応無しに年齢を実感させられる今日この頃である。

この1年で変わったこと

精神状態が物凄く安定した。今の職場になってから良くなったと思っていたけれども、今から考えれば去年の今頃はまだまだ色んなものに怯えながら生きていたと思う。

余暇にコードを書くようになった。これも精神状態が安定したのが大きい。ただ、元々波は激しいので、やる気のスイッチが入った時以外は基本的にゴミ。

技術力は上がったというか、広がったと思う。現職では色々と新しい技術に触れる機会があるのでありがたい。特に商用環境のインフラ構築に手を出せたのは大きかった。

国内旅行がかなり減った。社寺巡礼や鉄道旅行は好きだけれども、ストレス解消法という一面もあったため、大元のストレスが激減した結果、家でコードを書いていた方が楽しくなってしまった。喜ぶべきなのに、少し悲しい。

その代わりというべきか、初めて海外旅行した。当然だけれども、国内旅行とは別の刺激があって楽しい。歳を取ると共に刺激には鈍感になるので、こういう新しい刺激は定期的に求めていきたい。

トラックパッドを左で持つようになった。右半身の神経にガタが来たので、できるだけ負担を掛けないよう苦肉の策。慣れるまでは辛かったけれども、おかげで右腕の痺れはほぼ無くなった。

変わらないこと

ブログは続けられている。変にノルマを作ったり、PVを追ったりとかはしていないので、細く長く続けられそうな気がする。気の向くままにやっていくのは長続きのコツだ。

新作アニメは相変わらず観ている。歳を取ると感情移入しにくくなって楽しめなくなると言うけれども、僕はアニメに限らず物語を俯瞰するタイプなので、普通に楽しめている。

音楽とオーディオは聴き専になって久しいながらもちょくちょく聴いている。近年はアニソンや同人に縁のある作品が主体。今年はla la larksにドハマりした。

歯石クリーニングはきちんと半年毎にやっている。これをやらないと歯茎がどんどん下がってきたり虫歯が増えたりしてやばいということに気付いてからは、欠かしていない。

おわりに

直近1年とその前では、転職があったので結構変わったなーという感じがする。抑鬱状態から解放されて、心に余裕を持てるようになった。心に余裕を持てると、できることも増えるし、視野も広がる。体も心も健康一番。

うん、やっぱり年齢を一番意識させられるのは健康のことだった。

モバイルSuicaのチャージエラーを解決するたった1つの方法

「〜たった1つの方法」系の話で実際に1つだったことってそんなにあったっけな〜と思いつつ、これについては本当にたった1つなので期待(絶望)してほしい。

結論から言うと、モバイルSuicaのチャージエラー(エラーコード1110)を解決するには、

コールセンターにひたすら延々鬼電し続けまくって奇跡的に繋がることを祈る!

これしか無いという知見を得た。

事の発端

ビックカメラSuicaカードと紐付けていたモバイルSuicaを退会し、改めてGoogle PayのSuicaに登録し直したのは、先の記事の通りだ。

aikawame.hateblo.jp

これで終われば良かったのだけれども、また問題が発生してしまった。Suicaのチャージが突然できなくなったのだ。

Suicaチャージがエラーコード1110で詰んだ

僕はGoogle PayにKyashカードを登録して、そこからSuicaにチャージしている。先日Suicaにチャージした際、Kyashの月間利用限度額がギリギリの状態であったせいか、エラーが発生してしまった。この時は瞬時にKyashの限度額のせいだろうと推察し、実際そうだったため、月が変わるまで待てば良いやと、放置していた。

ところが、月が変わって11月1日になっても、一向にエラーが解消しない。昼間になればもしやと思い、午後になって試してもやはりダメ。まさかと思い、もう1枚Google Payに登録している普通のクレジットカードでチャージを試してみると、これも同じエラーになる。こうなると自分ではどうしようも無さそうだ。

エラーの内容は、Suicaチャージに失敗した旨と、JR東日本のモバイルSuicaコールセンターに問い合わせよとの旨、そしてエラーコード1110というもの。表示されている電話番号に問い合わせるしか無さそうだ。

全く繋がらないコールセンター

取り敢えず会社の昼休みにコールセンターへ電話を掛けてみるも、話し中で全く繋がらない。自動応答でよくある「只今、大変混み合っており」ですらなく、「プーッ、プーッ、プーッ」でお馴染みの「話し中」で繋がらない。この時点で、嫌な予感がしてきた。

Google先生に尋ねてみると、案の定、JR東日本のコールセンターは繋がらないことで有名らしく、その手の検索結果が出るわ出るわ。

こういう時は、多少時間が掛かってもメールで問い合わせるに限るということで、JR東日本のメール問い合わせフォームを探す。

無い。

一応、「ご意見・ご要望の受付」というフォームはあるものの、「いただいたご意見などすべてにお返事できない場合もございますので、あらかじめご了承ください。」などと書いてあって、まともに問い合わせに応答する気配は薄い。一応ずっと電話が繋がらない場合の保険に投げてみたけど。

というわけで、最混雑時間を避けて15時台に再挑戦してみる。

モバイルSuica関連のコールセンターが他にもあるらしく、それも含めて何度か挑戦して、自動応答の所にまで到達できた。ただ、そこから幾ら待ってもオペレーターに繋がらない。さすがに仕事中に10分以上も席を外すのは微妙な気分だったので、諦めてTwitterに愚痴を吐いた。

すると…、

まさかのGoogle先生からリプライが。どう見てもBotかテンプレっぽいけど、まぁ試しに尋ねる価値はあるだろう。

優秀すぎるGoogle Payのサポート

リンク先のフォームに状況を記入して送信。すると、あろうことか30秒もしないうちにGoogleの方から電話が掛かってきた。神かよ。

オペレーターにフォームから問い合わせた旨を話すとすぐに理解し、状況を確認してくれた。通話料が掛からないので、確認中に保留にされても気にならない。

結論としては、Google側では問題が発生しておらず、JR東日本に問い合わせないといけないということだったけれども、そこの原因の切り分けはハッキリとしてくれた。その上、「手続きが煩雑なのであまりお勧めはしないが」という断り付きで、別のモバイルSuicaアカウントを用意するという手段があるにはあると提示してくれた。JR東日本にどうにも電話が繋がらないという点を理解した上で、何とか代替案を出そうとしてくれる所は大いに評価できる。

そんな訳で、何も解決していないのにGoogle先生のサポートセンターの優秀さに惚れてしまった。

絶対に頼ってはいけない駅の方々

職場からの帰宅中もコールセンターに鬼電するも、やはり話し中。

もしかしたら駅の係員であればエラーを解除できるか、コールセンターに繋がらない問題に対する回答を持っているかももしれないと思い、降りた駅の係員にも尋ねてみた(念の為、混雑していないことを確認してから)。

ただ、駅の係員で対応できるのは改札の出入りに関する不整合の対応くらいで、Suicaチャージに関する不具合はコールセンターに問い合わせるしか無いとのことだった。また、電話が繋がらない件について話しても、代替手段は把握していないとのことだった。みどりの窓口等の他の駅窓口でも受け付けられないとのことだ。

絶対に頼ってはいけないJR東日本お問い合わせセンター

ネットで検索すると、「JR東日本お問い合わせセンター」というのが出てくる。「JR東日本の列車時刻や運賃・料金、お忘れ物などのお問い合わせにご利用になれます。」と記載されているので、Suicaについては微妙かと思ったけれども「など」の中にSuicaが入っている可能性もゼロでは無かったので、藁にも縋る思いで電話を掛けてみた。

すると、なんと繋がった!!

ただ、状況を伝えると、3分ほど保留された上に、モバイルSuicaコールセンターでないと対応できないという膠も無い回答。そこが繋がらないんだけれども…と言っても、やはり代替手段は無いということだった。

奇跡的に繋がった

もうこれでダメならば本社に直接足を運ぶしか無いかと思いつつ、寄り道しながらモバイルSuicaコールセンターに鬼電すること10分、漸く自動応答が出てきた。自宅まで10分程の所だったので、家に着くまで待とうと思っていたら、残り2分程という所で奇跡的に繋がった。

この時は本人確認とエラーコードの確認、調査の上本日中に折り返すというあっさりした内容。何にせよ、漸く繋がったことには安堵したけれども、さすがに何十回も話し中を食らったことについては、強く改善を希望する旨上申してほしいということは言わせてもらった。僕も聖人ではないので、言うべきことは言わせてくれ。

コールセンターの意味とは?

さて、いよいよここからが今回の見所。1時間ほど経って、コールセンターから折り返しの電話が掛かってきた。オペレーター曰く、

「モバイルSuicaのシステム上で問題を検知してロックが掛かっていたため、解除した。今は正常にチャージできるようになっている、以上。」

え?それだけ?

というのが正直な感想だった。勿論、肝心な問題が発生した原因については尋ねたけれども、「セキュリティー上の都合で回答できない」とのことだった。契約者本人なのに原因を開示できないことについては謎だったけれども、具体的な原因は探れそうもなかったので、今回のような不具合を避けるにはどうすれば良いかと尋ねても、答えられないという。

何を訊いても答えてくれないし、単にロックを解除するだけなのならば、何十回もコールセンターに電話を掛け続ける意味って何だろう…。

それこそ、そんなに電話が好きなのであれば自動応答のメニューに「エラーコード1110でロックが掛かった場合の解除自動受付」でも追加すれば済むのではないか…。と思いつつ、今後も同様の不具合が突然発生することがあるのかと尋ねると肯定されたので、その場合はどうすれば良いのかと尋ねると、同様にコールセンターに問い合わせてほしいということだった。もう呆れ果てた。

おわりに

モバイルSuicaのチャージエラーでコールセンターへの問い合わせを案内されたら、ひたすら鬼電して繋がることを祈る。色々と模索してみたけれども、それしか無さそうだ。駅の係員や窓口では対応できないし、JR東日本お問い合わせセンターも電話するだけ無駄だ。そして少なくともエラーコード1110が発生した場合は、Google側ではどうしようも無いっぽい。

一応Google Payのサポートセンターからは別アカウント作成というウルトラCも案内されたけれども、残高がある場合の返金処理やら、アカウントの再作成やら、余計に面倒になるので現実的とは言い難い。

あとは、JR東日本がもう少しまともなサポート体制を構築してくれるか、ウルトラCでGoogle先生がモバイルSuicaのサービス毎巻き取ってくれるか、その辺りを期待する外ない。

ちなみに、僕はJR東日本の種々の問題については、経営側に起因するものが大きいと思っていて、現場の方々の多くは天下の鉄道網を支える責任感に溢れていらっしゃると思っている。そこは鉄道クラスターの端くれとして日頃から感謝している所なので、断っておきたい。

蛇足

今回の問題については、管轄の異なる所に問い合わせることで、問い合わせを受けた側が迷惑を被るという意見もあるかもしれない。ただ、そもそも問い合わせの手段が電話しか無く、その電話が繋がらない以上は同じJR東日本の窓口でどこか対応できる所を探すのは仕方の無い流れかと思う。最低でも電話の応答性を改善するなりメールフォームを用意するなりしない限りは、JR東日本の怠慢だとしか言い様が無い。

勿論、問い合わせを直接受けるのは現場の方々だけれども、彼らはJR東日本を代表して窓口に立っている方々なので、社としての課題については真摯に受け止めていただきたい。こちらとしても、実際にSuicaの処理を扱っている駅係員だったり、JR東日本の全般的な問い合わせを受け付けている窓口に対してのアプローチだったので、妥当性はあったと考えている。

そう言えば、結局電話が奇跡的に繋がったので本社凸はしなかったけれども、どうにも打開できずに本社凸した場合、対応してくれるのだろうか…。

少し興味はあるけれども、今回はここまで。現場からは以上です。

無料で乗る京王5000系と紅葉前でも人大杉の高尾山

実家から家族が東京へ来て、成り行きで高尾山へ参詣することになった。現地集合だったので、折角乗るならと京王5000系を狙い撃ちしてみた。

ロングシート運用の5000系

以前から5000系には興味はあったものの、京王ライナーは新宿を夕方から夜にかけて出発する運用だけなので、新宿住まいの僕には全く無縁の存在だった。ただ、5000系自体は京王ライナー以外の列車にも充当されているので、それに乗れば良いやということで調べてみた。ありがたいことに、5000系の運用を詳しく調べている方がいらっしゃったので、参考にさせていただいた。

blogs.yahoo.co.jp

日曜日だったので、本八幡8:36発の快速橋本行きが丁度良さそうということで、いざ新宿三丁目駅へ。車両点検とかで他の車両が充当されるという事案が発生しないことを、こればかりは祈るしか無い。すると…、

本当に来た!5000系!!しかも快速なので社内はガラガラだ。ここぞとばかりに写真を撮らせていただく。

こんな感じに、京王ライナー以外ではロングシートでの運用となる。それでもシートは同じなので、京王の他の車両とは段違いの快適さだ。感覚値でしかないけれども、座り心地は近鉄5800系L/Cカー以上、JR西223系未満という感じか。近鉄以外のデュアルシートには乗ったことが無かったので、他に比べる相手が居ないのが辛い所だ…。

ちなみに、扉上だけでなく社内中央部にも液晶画面が付いているのが今時のデュアルシート車両っぽい。あと、京王ライナーでは無料Wi-Fiも使えるけれども、今回乗車した時も普通に電波が飛んでいたので、Wi-Fiについては制限は無いのかもしれない(実際に試してはいない)。電源コンセントについては、写真の通りロングシート運用では閉じられているので使えない。

そんなこんなで車内や車窓を眺めていると、あっという間に調布に到着。後から来た特急に乗り換え、更に北野で高尾線に乗り換え、高尾山口へ。高尾からは、いかにも登山客という感じのバックパックを背負った人達が一気に増えて、高尾山口も大賑わい。紅葉直前の中途半端な時期なのに、ホームの階段は新宿駅のような混雑ぶりだった。

平衡感覚を殺しに来るケーブルカー

今度は高尾登山電鉄のケーブルカーに乗車する。麓の清滝駅には既に行列が。ただ、7分間隔で運転していたおかげで、十数分待った程度で乗車できたのは有り難かった。

そしてやって来たケーブルカー。これは僕の手元が狂っているわけではなく、清滝駅には思いっきり山側に傾いた状態で到着する。というのも、このケーブルカー、最急勾配は31度18分で、ケーブルカーとしては日本で一番の勾配なのだ。麓では勾配が緩いから山側に傾くし、逆に山上では少し谷側に傾く。

特に下りで進行方向に座ると、発車から数分に亘って前へ押し出される感覚があって、面白いけれども中々落ち着かない体験をすることになる。この感覚は乗ってみないと中々わからないと思う。

人大杉の高尾山

流石は東京から気軽に来られる登山スポットだ。どうしようもなく人が多い。薬王院への参詣が目的の人と登山が目的の人がごっちゃになって、混沌としていた。普通の社寺の雰囲気ではなかったので、普段なら山門や参道の写真を撮るのだけれども、まともな代物にならなかったので、貼るのは諦める。

ただ、奥の院と浅間社は良くも悪くも通り過ぎていく人が多いので、比較的落ち着いて参拝できると思う。逆に、山頂はウェーイな感じになっているので、早々に退散することとなった。

一番印象的だったのは、薬王院の本堂から山伏の方が出てきたことだった。高尾山は修験道の道場としての歴史があるからというのは理解できるけれども、同じく修験道場である戸隠山では、神職の姿の方しか見掛けなかったので、レアな発見だった。

あと、戸隠山は明治の神仏分離で完全な神社に転換されたけれども、高尾山は神仏習合の形を色濃く残していて、本堂と権現造の本社、そして鳥居が立ち並ぶ姿は歴史を感じさせる。

おわりに

高尾山はもう少し落ち着いて参詣できれば良かったけれども、都内なので中々難しいのだろうなと思いつつ、今回はめでたく京王5000系に乗れたので、久々に鉄分を補給することができた。そう言えば最近まともな鉄道旅行をしていない気がする…。そろそろアニメ用と鉄・社寺用とプログラミング用に分裂したい。

モバイルSuicaとJR東日本のウェブサービスから退会した話

最初に断っておくと、僕は鉄道クラスターの端くれなので、JR東日本には日頃からお世話になっている。ところが掲題の通り、モバイルSuicaを含めたJR東日本のウェブサービスから全て退会することになった。

ざっくりとした退会理由

  • 管理しなければならないアカウントが増えすぎた
  • Google Payが登場したことで年会費無料の条件が増えた
  • 使い勝手やセキュリティーがよろしくない

詳しい退会までの流れは後ほど。

実際に退会したサービス

  • モバイルSuica
  • えきねっと(切符のオンライン購入等)
  • VIEW's NET(クレジットカード情報照会)
  • JRE POINT(Suicaとかのポイント交換)
  • My JR-EAST(JR東日本のウェブサービスアカウントをまとめるやつ)

ちなみに、ウェブサービスではないけれども、今回同時にビックカメラSuicaカードも退会した。この辺り、どのようにして僕がJR東沼にハマり、抜け出したのかについて順を追って説明しようと思う。

入会のきっかけ

話は今から約10年前、2009年春にまで遡る。その当時、僕は滋賀県大津市に住んでいたが、勤めていた会社がお取り潰しになってしまい、東京の関連会社に拾われることが確定していた。東京だと交通系電子マネーは日常的に使うだろうと思ったので、クレジットカードからいつでもチャージできるモバイルSuicaを使ってみようという流れになった。

ところが、モバイルSuicaはJR東日本(現ビューカード)の発行するクレジットカード以外を使うと年会費が1,080円掛かってしまう。そしてJR東日本のカードも全部年会費が設定されていた。一応他にもEasyモバイルSuicaというサービスもあったが、こちらはクレジットカードからのチャージができないので却下だし、どうしようかと考えた。

ビックカメラSuicaカードとの出会い

そんな中、1つだけ条件付きで年会費無料になるカードがあった。ビックカメラSuicaカードだ。条件と言っても、年1回の利用だけなのであって無いようなもの。これだ!と思い、すぐにビックカメラJR京都駅店へ向かった。

ちなみに、当時はビックカメラJ-WESTカード(ビックカメラSuicaカードのJR西日本版)が登場した直後で、店側もそちらを激推ししていた。そんな中でSuicaカードを申し込んだものだから、店員から「本当にこちらでよろしいんですか?」と怪訝な顔で念を押されたのは今でも覚えている。

使えるSuicaと使えないウェブサービス

東京でのモバイルSuica生活は快適だった。定期券は駅で並ばずともアプリで買えるし、オートチャージを設定していたので残額不足でSuicaペンギンからラリアットを食らうことも無く安心だった。

ただ、ウェブサービスの方がどうにもイケてない。Suica本体の情報はモバイルSuicaの専用サイト、切符の購入はえきねっと、Suicaで貯まるポイントはSuicaポイントクラブ、ビックカメラSuicaカードはVIEW's NETと、4つもバラバラのアカウントを登録する必要がある。一応My JR-EASTという1アカウントで全てのサービスにログインできる仕組みはあるけれども、アカウントの二重管理になる上、結果的にそれ用のアカウントがもう1つ増えるという地獄だった。

クレジットカードは別アカウントでも仕方ないと思うけれども、その他は最初から纏められなかったのかと、今でも不思議で仕方ないが、なんとこの状況は9年後の今年春になるまで変わらなかった。

Google Payの登場

転機は外からやって来た。Google PayがSuicaをサポートしたことで、全てのクレジットカードでモバイルSuicaを無料使用する道が開けたのだ。

従来のモバイルSuicaと比べると制約はあるものの、僕は今では定期券を使っていないし、オートチャージについても改札でしか効かないから、それよりはGoogle Payの残額通知の方が助かる。何より、あのガラケー時代から進化していないUIのモバイルSuicaアプリから解放されるのが嬉しい。

というわけで、モバイルSuicaのアプリについては早々にGoogle Payに移行した。ただ、この時点では退会までするほどの何かは無かったので、それ以上の行動は起こさなかった。

観光地化するビックロ

伏兵はビックカメラの方から現れた。自宅から最寄りのビックロが、どんどん使えない店になってきたのだ。

開店当初こそ、新宿西口と良い勝負かそれ以上の品揃えだったので、便利になったものだと喜んでいたものの、近年のインバウンド需要に当て込んでか、完全に外国人観光客受けするような店構えに変貌してしまった。今では日本人よりも中国人客の方が多いのではないかという有様だ。

ならば西口へ行けば良いという話だけれども、西口であればヨドバシの方が品揃えは豊富なので、ビックカメラを選ぶ理由が薄くなる。折しもヨドバシは近年になって、他社クレジットカードでもポイント還元率が下がらなくなったので、ビックカメラSuicaカードを持つ意味のもう片方も崩れた。

セキュリティーへの疑念

トドメがこの事件。

togetter.com

まさか2018年にもなってパスワードぶった切り案件が出てくるとは思っていなかった。JR東日本のウェブサービスの残念さは、モバイルSuicaアプリを見ればお察しという感じではあったけれども、さすがにセキュリティー面でこの有様はやばいと思い、いよいよ退会しようという考えに傾いていった。

退会するためにJRE POINTアカウントを作る

冗談かと思った。

SuicaのチャージでビックカメラSuicaカードのポイントが5,000円分くらい貯まっていたので、これを還元してから退会しようと思ったら、今年の春頃にJRE POINTというポイントサービスに統合されたらしい。いや、統合するのは良いけど、それでまたアカウント増やすなよ…。

というわけで、ポイントを還元するためだけにJRE POINTのアカウントを作成、Suicaにチャージ、即退会…できない。

1日待たないと退会できないJRE POINT

後でわかったことだけれども、夜間にバッチ作業でもやっているのか、ポイント交換を行った場合は翌日にならないと退会できないらしい。だったらそうやって注意書きを出せば良いのに、退会処理を試行した時のエラーはこれだ。

「交換申込み中のSuicaチャージまたは(JRE POINT用)Suicaグリーン券が未受け取りとなっており、退会できません。(116)」

いや、受け取って残高も画面に反映されているんですがー。僕はこの時点で何となくバッチ作業の問題だろうと察したけれども、一般のユーザーであればそんなことは知ったこっちゃないだろう。

おわりに

中々凄いものを見てしまったが、ひとまず全てのアカウントは削除した(向こうで削除されたかは置いておいて)。ただ、モバイルSuicaだけは必要なので、改めてGoogle PayでSuicaを登録した。つまり、厳密には退会した後で再登録したという話ではあるのだけれども、まぁそこは勘弁してほしい。

一応今後もお世話になるということもあるし、Suicaの仕組み自体は世界に誇れる素晴らしいものだと思うので、中の人達にはサービスの改善に邁進していただきたい。というかもっとウェブサービスに投資した方が良いと思う。いや本当に。

そして続きはこちら…。

aikawame.hateblo.jp

今期完走したアニメ達 2018夏

少し遅くなったけれども、いつものやつ。今期は第1話視聴数が極端に少なかったけれども、全作品完走するという極端な結果になった。ちなみに、全て原作未読・未プレイ。

天狼 Sirius the Jaeger

sirius-the-jaeger.com

吸血鬼物はそんなに好みではないけれども、舞台が昭和初期の日本というので興味を持った。さすがのPA品質で、当時の雰囲気が良く出ていた。あと、2クール分あっても良さそうな物語を12話に凝縮したことで、非常にテンポが良い。もっと掘り下げて欲しいとも思ったけれども、綺麗に終わったので満足だった。

はたらく細胞

hataraku-saibou.com

声優の熱演を楽しむ作品。僕は話が面白くないとすぐに切ってしまうタチだけれども、それ以上にはなざーさんのギャン叫びと喜久子お姉さんの笑顔で殺戮する姿が尊かったので完走してしまった。ついでにちょっと為になるということで、話は単調だけれども骨太の佳作だった。

あそびあそばせ

asobiasobase.com

事前情報無しに観たので今期の百合枠来た!と思ったら思いっきりOP詐欺だった。でも、ギャグセンスがツボにハマったのでかなり爆笑できた。かなりお下劣なので、観る人を選ぶとは思うけれども…。一見委員長キャラっぽい香純が実は最高にクレイジーなのが酷い(褒)。

アンゴルモア 元寇合戦記

元寇時の対馬が舞台というどマイナーな所を突いてきた作品。なので史実を交えつつも大半はフィクションなのだけれども、ヒロインが若干色ボケ気味なのを除けば硬派な大河ドラマに仕上がっている。うまく行かなっいっぷりを描くのに定評のある三谷幸喜作品から喜劇部分を抜いたらこうなるのかな、という感じ。

Back Street Girls -ゴクドルズ-

制作陣も認める紙芝居なので、これをアニメとして評価するのはどうなのか…という気もするけれども、それが気にならないくらいの勢いはあった。あと、紙芝居のくせにやたらと曲には力が入っている。これも観る人を選ぶ作品ではあるけれども、ヒナまつりがいけるクチならば楽しめそう。

シュタインズ・ゲート ゼロ

前作が傑作中の傑作なので、期待値が上がりすぎた可哀想な作品。あと、如何せん尺が足りなさすぎて、色々と伏線が回収し切れていない感があったのは残念。それでもシュタインズゲート世界線への繋げ方が美しかったので、前作から連なる物語として成立していたのは良かったと思う。

殿堂入り:新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION

www.shinkalion.com

最早欄外にしないとやっていられないやつ。別格。とにかく観るべし!としか言い様が無い。

おわりに

今期は1話時点から天狼が来るだろうと思っていたけれども、そのまま最後まで突っ走った。その他も完走した作品はどれも甲乙付けがたい佳作だったので、観た作品数は少ないながらも充実した3ヶ月だった。一方で、来期は気になる作品が多いので、既に録画数がやばいことになっている…。

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はじめての海外旅行@台湾

僕は国内旅行が好きで、2〜3ヶ月に1度くらいは日帰りで長野や群馬、栃木方面等へ行くのだけれども、海外には一度も行ったことが無かった。そこで、いい歳して海外童貞の中二病こじらせ系男子(男子?)が初めて海外旅行して得た知見を、適当に書き殴っていこうと思う。

ここさえ押さえれば初体験は怖くない

ベテランを指名しろ!

国選びは重要だ。欧州や米大陸で異国情緒に浸りたいという気持ちもわかるが、まずは日本人旅行客の受け入れに慣れた地域を選んだ方が良いだろう。台湾とかだと、お店であれば最初から日本語が通じる所も多いし、屋台のような所でも旅行客の対応には慣れているから、片言の英語や身振り手振りで大体コミュニケーションが成立したりする。ハワイやグアム・サイパン、あと香港やシンガポールとかも日本人旅行客は多いので、こんな感じで乗り越えられるのではないかと思う。

初めての時はリードしてもらえ!

初めての時は、どうやって動いたら良いのかよくわからないものだ。空港での手続きとか、宿や飲食店での遣り取りなど、いきなり全部自分でやろうとパニックになってしまうかもしれない。今回は添乗員同行ツアーに参加したので、必要な手続きは全部旅行会社任せにできた。それでも空港での出入国手続きや自由行動時の散策等で海外の洗礼は受けたので、初めての時はそれくらいで丁度良いのではないかと思う。

金は惜しむな!

初めての時に地雷を踏むと、トラウマになってもう二度と行きたくない…ということにもなりかねない。なので、そこそこお値段のするプランを選んだ方が、満足度が上がる可能性は高い。今回は台北方面2泊3日で10万円程のプランだったので、添乗員同行ツアーの中でも割と良いお値段ではあったが、ホテルや食事の質は高かったし、現地人のガイドさんも滞在中同行してくれたし、他のツアー客も良い人ばかりだった。むしろこちらがコミュ障でごめんなさいという感じだ…。

初体験トピック

パネマジがやばい

選挙ポスターがでかい。

とにかくでかい。

三國無双かよ!!!!

トイレがやばい

桃園空港のトイレが綺麗すぎる。

手を拭く紙まである。

暖簾の外は女性のトイレ行列@十分街

ちなみに、台湾のトイレ事情については非常に興味深いものがあったので、機会があればもう少し掘り下げて書きたいくらいだ。思えば、監視カメラが付いていたら完全にアウトになるくらいトイレの写真を撮りまくっていた気がする。

タイムライン抜粋

蛇足:海外SIMの話

一応IT業界の人間なので、それ系の話を。海外滞在中の通信については、今回は添乗員同行ツアーだったので、最悪使い物にならなくても良いや〜くらいの感覚で格安のプリペイドSIMを選んだ。購入したのは亜太電信という台湾では新興キャリアのやつ。4G対応、5日間通信制限無しで740円の(謳い文句通りなら)すごい子だ。

実際に使ってみると、LTEで繋がるのは桃園空港のみで、台北市街、九份街、十分街いずれもほぼ3Gだった。とは言え圏外の表示は終ぞ見ることが無かったので、繋がってさえいれば良いということなら問題無い。速度も写真をアップロードが少しもたつくかな?という程度で、実用に支障は無かった。値段を考えれば上等だと思う。ドコモみたいな高速・安定の大手がお好みならば中華電信へ。

蛇足:台風と雨の話

今回、超強力な台風24号が当初は台北直撃の予想もあって戦々恐々としていた。直前の天気予報でも全日雨で、暗澹たる気持ちで居たけれども、幸いにして現地での屋外散策の時はほとんど傘が要らなかった。時偶小雨には降られたけれども、土砂降りのような雨は寝ている時か屋内散策の時くらいで、現地人のガイドさんもラッキーだと言っていた。その代償として台風が日本を直撃することについては、なんかごめんなさい。

おわりに

え?観光地の写真や話が無い?そんなどこにでもあるネタはググって、どうぞ。

さよならマネーフォワード

3年ほど前から使っていたマネーフォワードから退会した。良いサービスだとは思うけれども、僕にとっては使うことでお金に対する意識や資産状況が改善するような変化が何も無く、継続する意義を見出だせなかったというのがざっくりとした理由だ。

そもそも使おうと思ったきっかけ

元々僕はソニー銀行の人生通帳を雑に使っていた。ざっくりと自分の資産推移を記録する分には割と使えるサービスだったので、基本放置でたまにグラフを見てニヤニヤしていた。ただ、対応していないサービスが多くて中途半端な印象は拭えなかった。そこで、丁度メインバンクを移行することがあったので、その筋で定評のあるマネーフォワードに乗り換えたのが事の発端だった。

マネーフォワードに求めていたこと

マネーフォワードを本格的に使うにあたっては、数年スパンで自分の消費行動が変わるなりして、資産状況が良くなることを狙っていた。

正直、人生通帳と同じように放置で良いのであれば、特に求めるものは無かった。ただ、マネーフォワードならば僕が使っている現金以外の決済手段には全部対応しているし、であれば頻度の少ない現金決済も記録して、そのコスト分は何かしら返ってくれば良いだろうと考えたわけだ。

どんな使い方をしていたか

金融機関の設定については、メインバンク(1行)に所持しているクレジットカード(3枚)と電子マネー(モバイルSuica)、あとは証券口座やAmazon等の頻用するEC系アカウントを紐付けていた。現金決済は「財布」という金融機関を追加して、都度入力していた。僕の場合は基本的に電子マネーかカードで決済していたので、これで楽して家計簿が付けられると目論んでいた。

なぜ退会したのか

退会した理由として一番大きいのは、それでも現金決済は無視できないほど必要になるし、その都度入力するのは面倒だということだった。加えて、入力漏れで2ヶ月に1度くらいは使途不明金が発生して、これが非常に苛々する。

それでも資産状況に効果が現れるのならば安いものだと思ったけれども、そもそも僕は元々無駄遣いというのに無縁な人間だ。なので、毎月の収支が可視化された所で、基本的に自分が必要としている消費行動なので、「先月はちょっと支出が多かったから来月は気をつけよう」みたいな反省が行われない。だったら、別に面倒な現金決済の記録は勿論のこと、資産推移の記録も必要無いんじゃね?という結論になり、退会する運びとなったわけだ。

おわりに

マネーフォワードのような家計簿サービスは、僕のようにお金に執着が無かったり、無駄遣いをしないような人にはあまり意味の無いサービスかもしれない。ただ、世の中にはお金があるとついつい使ってしまうというような人も少なくないらしいので、そうした人達には抑止力として有用なのではないかとは思っている。いずれにせよ、ある程度の期間は使ってみないとお金というのはすぐどうこうなるものでは無いので、ひとまず僕の場合は3年使ってみてこんな感じということで。

来月からはこれまで通りのどんぶり勘定に戻るぞ。

マネーフォワード クラウド確定申告(青色申告・白色申告) [オンラインコード]

マネーフォワード クラウド確定申告(青色申告・白色申告) [オンラインコード]

ChaliceでAWS CLIのプロファイルを切り替える

Chalice 1.6.0でAWS CLIのプロファイルにデフォルト以外のものを使おうとしたら地味に躓いたので、備忘録がてら記しておく。Chaliceについては以前にも「Chaliceでハマらないために」という記事を書いたので、Chaliceであちこちハマっている方はそちらも参照されたい。

プロジェクトの作成

chalice new-project project-name --profile profile-name

このようにオプションを付加すると、config.json にプロファイルが書き込まれる。

{
  "version": "2.0",
  "app_name": "project-name",
  "stages": {
    "dev": {
      "api_gateway_stage": "api"
    }
  },
  "profile": "profile-name"
}

ただし、これでプロジェクト上では勝手に profile-name を使ってくれると思っているとハマる(後述)。

デプロイ

chalice deploy --profile profile-name

これで指定したプロファイルを使ってデプロイできる。

せっかく config.json に書き込まれているのに…とは思うが、こちらで指定されているプロファイルはデプロイ時には参照されない。つまり、プロファイルを指定しなければAWS CLIのデフォルトのプロファイルでデプロイされてしまうので注意が必要だ。

ローカル開発

# 中に誰もいませんよ

ローカル開発に関しては、そもそも chalice local コマンドがプロファイルのオプションを持っておらず、かつ config.json の指定も参照されず、問答無用でデフォルトのプロファイルが使われる。面倒だが、現時点ではAWS CLI側の設定を変更して対応する必要があるようだ。

おわりに

Chaliceは便利なフレームワークだが、枝葉末節の部分は上述の通り仕様がちぐはぐだったり未実装の部分もあったりする。今後のバージョンアップで改善されていくとは思うが、暫くは地雷をうまく避けつつ活用していきたい。

今更実写版GHOST IN THE SHELLを観た

とりあえず一言で説明するなら、攻殻機動隊ツクールで組み上げたB級ハリウッド映画という感じだった。

お気持ち

攻殻機動隊の原作というよりは、劇場版とS.A.C.を素材にしている模様。両作品のオイシイ場面は随所に散りばめられているし、登場キャラクターについても、主役級は勿論のこと、サブキャラから人外までパッと見でわかるようになっている。そして、彼らやそれぞれの場面が元の作品をどこまで踏襲しているかは、まぁ本編を観てのお楽しみという感じだ。

一つだけ、某マスコットキャラクター的な多脚戦車さんが出てきた時には思わず爆笑してしまったことだけは言っておきたい。

あと、欧米人にとってのテンプレアジア的な要素も詰まっているので、そういうのがお好みの人にも受けそうだ。トグサの俳優がベタな中国系だったり、一方で主人公である少佐はスカーレット・ヨハンソンだったりするあたり、王道を地で行っている。街の雰囲気が九龍城っぽいのは劇場版もそうなので何とも言えないけれども。

それから、ハリウッド映画と言えばドンパチを忘れてはいけない。それこそ人がゴミのように銃で撃たれて死んでいく。頭脳戦なんて映像にしても詰まらない、とりあえず銃と手榴弾で殺して燃やしとけ!という現場の声が聞こえてきそうだ。

他に特筆すべき所としては…ワンダーじゃないモモーイが出てきてこっちが驚いたというくらいか。

こんな感じなので、攻殻機動隊のアニメとB級作品がどっちも好きな人は、とりあえず世間の評判を無視して観てみると良いかもしれない。少なくとも僕は色々な意味で楽しめた。

Xperia XZ3も期待外れな件

Xperia XZ3が発表されたけれども、やっぱり期待外れだったので殴り書きしていく。

お気持ち

Xperia XZ2が発表された日、あまりの酷さにこんな記事を書いた。

aikawame.hateblo.jp

そして先日XZ3が発表された。僕自身、1世代で基本コンセプトから見直してダメな所を全部潰してくるとは期待していなかったから、敢えて触れるまいと思っていたのだけれども、XZ2が酷すぎたせいかXZ3がやけに持ち上げられているような気がする。例えばこんな感じに。

japanese.engadget.com

そして僕の記事も有り難いことに言及してもらえた。こんな感じに。

rxjun.hatenablog.com

で、大体の記事で共通しているのは、「周回遅れを取り戻しつつある」という論調だ。確かに、有機ELとか曲面・大画面ディスプレイなんかは最近の流行だろう。HUAWEIやSAMSUNGのスペックには惹かれるけれどもどうせならソニーの方が…みたいな人には良いかもしれない。

だが、向くべき方向はそっちで良いのか???

ソニーの良さは、「他社がやらないことをやる」という所にあると思っている。Xperiaで言えば、他社がどんどんカメラを肥大化させる中でも厚みを抑えていたりとか、電源ボタンと指紋センサーを一体化したりとか、そういうスペックには表れない特長というのがあった。それが前者はXZsで失われ、後者もXZ2で失われてしまった。

XZ3のソニーらしさって何だ?ハードウェア的には、何を取っても他社の後追いではないか?辛うじてソフトウェア面では色々と差別化を図っているようではあるけれども、ハードウェアに魅力が無ければそこまで見てもらえられないのではないか?

別に、有機ELを採用しようがディスプレイを曲げようが、やるのは勝手だと思う。ただ、そういう流行の追い掛けをしながらでも良いから、他社に真似できないコレという特長は見せてほしい。今回は最初から期待していなかったけれども、次世代機では「俺がソニーだ」と言わんばかりの突き抜けたスマートフォンが発表されることを期待している。

蛇足

結局の所、何が一番気に入らないって、指紋センサーの改悪の部分だったりする。僕はガラケー時代もソニー/ソニエリのジョグダイヤルを長年愛用していて晩年は袖にされ続けたので、その再来ではないかと懸念している。ジョグダイヤルも故障率に悩まされたらしいし、指紋センサーについても課題は色々あるのだろうとは思う。ただ、個人的には暗所でも電源ボタンに触れるだけで認証できるあの仕組みは現状最高のUIだと思っているので、是非とも復活してもらうか、あるいは発展的なUIを模索してもらいたいと思っている。